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まんこという穴

まんこの具合が悪くて病院に行った。

ぽろぽろしたものが出てきてとにかく痒く気が狂いそうだったから、意を決して診察を受けたのだ。

散々セックスをしてきたというのに内診は非常に苦痛だった。あの自動で足を開かされる椅子に座り、カーテン越しに医者に器具をぶち込まれ、洗浄、投薬を受けた。カーテンで遮られているためどういうことが行われているかよくは見えないのだが、おそらく器具は竹でできた水鉄砲のように、二重の筒の内側を押し込んで動作させるつくりになっている。なんの前触れもなく突っ込まれるからやはり多少痛いがものの数十秒で終わった。まんこを無理に広げられてじろじろ見られ、その状態を実況報告されるのでは?と不安だったがそんなことはなかった。しかし、何だかとてもショックで情けないことに涙が出てきた。すぐに容態の説明を受けなければならなかったから、慌てて袖で拭って下着を身に着けた。

愛情や快楽ためにセックスするのではなく、診察という形で見ず知らずの人間に触られたのが恥ずかしい、屈辱だという気持ちもあった。しかしなんで私にはこんな穴が開いていて、それにより苦しめられなければならないのか。そんな思いが私の中に広がって、堪え切れず涙が出た。生殖能力に不安のある人間だから、なおさらだ。

 

まんこはちんこに比べて不遇だ。まずその名称。ちんこは小学生的な、大らかなアホさ、外で声に出しても呆れられるくらいで済むが「まんこ」は何だかちょっと嫌らしい感じがする。ちなみにこれは私の個人的な感覚ではない。「ちんこ」、「おちんちん」は放送禁止用語ではないのに、「まんこ」は放送禁止用語なのだ!(なのだ!じゃねーよ)松本明子が生放送中に発言し、業界を干されたという逸話を知っている人もいるだろう。

正確なことを言えば、放送禁止用語というものが各放送局ごとに公表されているわけではなく、ネット上の不確かな情報だ。しかし、何故か色んなサイトを巡ってみても「まんこ」は載っていても「ちんこ」は載っていない。知的で美しい女性アナウンサーがまんこと口にするのは沖縄県のニュースの時くらいなのである。沖縄県那覇市には漫湖という干潟がある。念のため。まんこなのに干潟なのかよ。

じゃあまんこがダメならなんて言えばいいのさ!医学的にいえば、ヴァギナ、か?小学校高学年になり初めて性教育を受けた日。皆その響きに思わず呟いてみたはずだ。軽く下唇を噛んで、ヴァギナ。ハリウッド女優の名前みたいだ。ヴァギナ。幼いころにゲルダというのが外国の女性の名前というのに驚いた覚えがあるが、そう思えば普通にありそうだ。ヴァギナ。ヴァギナ・クリトリス。きっと北欧の血が入った、綺麗な金髪の演技派女優に違いない。

 

なんの話だったっけ。そう、診察結果はカンジダだった。常在菌の1つだが、免疫力低下などの原因により菌バランスが崩れ善玉菌よりカンジダが優位になると起きるらしい。私の奔放な性生活によるものでは断じてない。むしろそんなこと一切ないのに不具合だけ起きていて悲しい限りだ。また一週間後に病院に行かなければならないのが嫌で仕方ない。

 

まんこ